【例文あり】ワードサラダとは? 意味やSEO上の悪影響をわかりやすく解説
「ワードサラダ」とは、読んでも意味がわからない、支離滅裂(しりめつれつ)なテキストのことです。
過去のSEOでは、自動生成テキストの量産やキーワードの詰め込みの結果として、ワードサラダが存在しました。
現在では当然ながら、ワードサラダはユーザーに価値をもたらさないため、スパムとして扱われ、場合によってはペナルティ対象となります。
そこで今回は、「ワードサラダとは何か」「ワードサラダの例文」「検索エンジンにおけるワードサラダの扱い・リスク」などについて解説します。
合わせて、このトピックの大前提である「意味のある文章とは何か」についても深掘りますので、ライティングの品質を高めたい方にも読んでいただきたいです。
ワードサラダ(word salad)とは? 例文を読む
ワードサラダとは、意味がない文章のことです。
以下の例文を読んでみてください。
先週、妹がテレビで見たインド映画が面白かったと言い出したので、ふと外を見ると空には雲がたくさん浮かんでいた。
でも、パン屋の中には焼きたてのパンの香りが漂っていたので、SNSで自分の顔をアップしたがるよね。
だって、そんなことにお金をかけてしまうなんて、妹は大絶賛しているから、バカバカしいと思う。
私たちが若い頃は、コンビニでジュースを買ってパチンコに行ってたんだから、
何が何だか分からなくなってしまった。
だって、パン屋でおばあさんがパンを買っている時、私も見てみたいと思って、おばあさんは幸せそうにパンを買い終え、帰宅した。
ポイントは、一見問題なさそうに見えることです。遠目で見ると普通の文章にみえます。
しかし読み込むと、話題がいったりきたりで、1文の前後につながりがなく、読み手が混乱してしまうような文章となっています。
この例文は、文章全体として意味がないワードサラダです。
「意味がない文章」とは?
ここでは「意味がない文章」と書きましたが、「意味がない、とは何か」を理解することは、品質の高いライティングをする上で重要です。
たとえば、先ほどのワードサラダの例文に近い、「意味のある文章」を読んでみましょう。
ある日、パン屋におばあさんが訪れました。
おばあさんはパンを選びながら、窓に目を向けると、澄んだ空が広がっていました。
パン屋の中には焼きたてのパンの香りが漂っていて、おばあさんは幸せそうにパンを買って帰りました。
この例文が「意味のある文章」といえる理由としては、以下が挙げられます。
- 主語と述語が明確に存在する。
- 主語(おばあさん)
- 述語(訪れました、選びながら、買って帰りました)
- 文章の構成が論理的。
- 最初にパン屋におばあさんが訪れ、最後におばあさんが幸せそうにパンを買って帰るという流れがある。
- 記述が具体的。
- パン屋の中での焼きたてのパンの香りや、気持ちの良い空の描写が緻密である。
- 読み手が共感できる表現がある。
- おばあさんが焼きたてのパンの香りに幸せそうになる描写は、多くの人に共感を呼び起こす可能性がある。
SEOにおいて、ワードサラダを使わないことは、あくまで最低限の対策です。
ライターは、「何が正しい文章か」を言語化し、「徹底的に意味のある文章」を作ることを意識していく必要があります。
ワードサラダの語源・由来
ワードサラダは、英語で「word salad」と書き、意味はそのまま「言葉のサラダ」です。
もとは、統合失調症や認知症といった病気をわずらった人が発っしてしまうもので、思考障害の一種とのこと。
意味不明な単語やフレーズがごちゃまぜに混ざったのを、サラダと表現しているのでしょうか。
コンピュータでテキストの自動生成ができるようになり、ワードサラダはインターネット用語となりました。
SEOにおけるワードサラダ
現在、ワードサラダは検索エンジンではスパムとして扱われます。
過去には、テキストを自動生成して、記事を大量生産したり、キーワードを詰め込んだりすることで、SEO対策する業者もいました。
しかし、そのような文章・量産コンテンツはユーザーに価値をもたらさないため、対策されています。
実際に、Google検索セントラルの「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」では、「スパム行為のある自動生成コンテンツ」を警告しています。
スパム行為のある自動生成されたコンテンツ(「自動生成コンテンツ」)とは、独自の価値を生み出したり、十分な価値を付加したりすることのない、プログラムで生成されたコンテンツのことです。ユーザーの役に立つためではなく、検索ランキングを操作することを主な目的として生成されます。自動生成スパム コンテンツの例としては、次のようなものが挙げられます。
- 検索キーワードを含んでいるが、文章としては意味をなさないテキスト
- 自動ツールで翻訳されたテキストが、人間によるチェックや編集を経ずに公開されたもの
- 品質やユーザー エクスペリエンスを考慮せず、自動プロセスで生成されたテキスト
(「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」より引用、一部省略)
外国語を自動翻訳して、編集せずそのままコンテンツとして公開するのも、意味不明な文章(= ワードサラダ)となる可能性があり注意が必要です。
また、この「スパムに関するポリシー」などは、「ウェブマスター向けガイドライン(Google 検索の基本事項)」にまとめられているものです。SEO対策に関わる上で必読のドキュメントですので、必ず目を通しておくようにしましょう。
以下の記事で、ウェブマスター向けガイドラインを初心者にもわかりやすく理解できるようにまとめましたので、あわせてご覧ください。
AIライティングなどが発達してきて、自動生成による文章の質も上がった昨今ですが、人間の目視によるチェックは必要であると言えるでしょう。
「ユーザーが違和感なく読めて、意味もわかる」ことが、検索エンジンで上位表示されるための最低限のルールです。
ワードサラダに関するよくある質問
ワードサラダに関してよくある質問がありますので、回答をまとめました。
マルコフ連鎖との関係は?
「マルコフ連鎖」とは、ある事象の出現確率から次の事象を予測する数学的手法です。マルコフ連鎖を用いることで、ランダムなデータを生成できます。
文章や音楽などの生成に応用されるため、マルコフ連鎖でワードサラダが生成されることがあります。
ワードサラダを生成できるサイトやツール(ジェネレーター)はある?
ワードサラダを生成できるツール(ワードサラダジェネレーター)は、あります。
実際、今回用意したワードサラダの例文は自動生成しました。
使用したのはワードサラダ生成ツールではなく、Chat GPTです。
小話ですが、Chat GPTでワードサラダを作るのは難しかったです。
というのも、Chat GPTは、正しい日本語を返すようにできていて、「ワードサラダを作って」と何度お願いしても、意味が通じる文章を作ってきます。
この文章をコピペして、続けて「これはワードサラダですか?」と聞くと、「これはワードサラダではない」と返してきました。困ったものです。
ちなみに、「ワードサラダとは?」と聞くとワードサラダについて解説してくれるので、意味は理解しています。ただ、ワードサラダを作ることは、苦手なようです。
意味のないものは逆に作れないという、AIの弱点を見つけたような気がして面白いですね。
さて、今回Chat GPTを使ってワードサラダを作った方法ですが、まず以下のような条件含むプロンプトを送ります。3パターン作ることと、念押しするくらい「めちゃくちゃな日本語を作って」とお願いしました。
ご覧のとおり3パターン作ってもらいましたが、どれも日本語として十分読める気がします。
そこで、以下のように追加依頼をしました。3つのテキストをミックスして、というプロンプトです。
かなりよい感じに支離滅裂な、ワードサラダになったと思います。
ここまで丁寧にワードサラダを作るのは大変でした。
「ワードサラダの例文を作りたい」というケース以外での、ワードサラダ生成はおすすめしません。