チャットコミュニケーションを効率化するために意識するべきこと
チャットはうまく使えば非常に便利ですよね。
私も仕事上のコミュニケーションはほぼチャットで行っています。
離れたメンバーともリアルタイムにコミュニケーションできるので、チャットでのコミュニケーションは生命線といっても過言ではないです。
でもチャットの使い方が下手だと誤解や混乱を招き、逆に生産性を下げてしまいます。
そもそも、文章を書くのは話すに時間がかかります。ただ情報を交換するだけなら、チャットではなく電話した方が早いですよね。
チャットでのコミュニケーションで効率的に行うためにはコツがあります。
あるポイントを意識するだけで、チャットでのコミュニケーションの効率が何倍にも変わってきます。
そこで、過去何万通ものチャットのラリーを行ってきた私が、より効率的にチャットを使うために持つべき意識と具体的な方法を紹介します。
原則:読み手への意識
結論、チャットではメッセージを受け取る相手を意識をすることが何よりも重要です。
メッセージを送る前に、読み手がどう思うか、を徹底的に考えるだけでコミュニケーションはうまくいきます。
読み手がどう思うか考える際に考慮する点は2つです。
- 効率
そのメッセージは効率的に情報を伝えているか?
- 感情
そのメッセージは相手の感情に寄り添っているか?
チャットでは効率を考える
基本、書くより話す方が伝えられる情報量は多いです。
考えながらタイピングすれば1分間に100文字程度が限界でしょう。話せば1分間に300文字は伝えられます。
それでも電話ではなく、チャットを主に使うべき理由はプロジェクトの進行上、チャットの方が効率的だからです。
チャットが効率的な理由は以下の通りです。
- 情報の密度が高い
- 記憶に頼らなくてよい
- 再利用できる
情報量ではなく、情報の密度が重要
電話で伝えられる情報量は多いです。
しかし、情報量が多い = 効率が良い、と考えるのは間違っていると思います。
情報量が多い = 情報処理に時間がかかるため、効率が落ちます。
情報は量ではなく、密度で考えるべきです。
日々、大量に送られてくる情報に埋もれているように感じる人も多いんじゃないでしょうか。
密度の低い情報交換をたくさん行うよりも、密度の濃い情報交換を少なく行った方が、はるかに効率が良いです。
そして、チャットであれば、誰でも少しコツを意識するだけで情報の密度を上げることができます。
チャットに書けば記憶に頼らなくてよい
電話で話した後、その内容を全て覚えてられる人はほとんどいないでしょう。
人によっては、話している最中に「そもそも何について話していたんだっけ?」と論点を見失ってしまうことも多いと思います。
会議の目的は何かしらの意思決定を行ったり、次に取るべきアクションを洗い出すことです。
せっかく話し合った内容を忘れてしまっては元も子もないです。
チャットであれば記憶に頼る必要はありません。
書いた文章の中に決定事項や、ToDoが書かれているので、プロジェクトを前に進めることができます。
また、話しながら論点がぐちゃぐちゃになることもないです。
チャットに書けば記憶が不要になるため、脳のリソースを正しい意思決定を行うことに使えるのも重要な点です。
チャットは再利用できる
チャットで書いたテキストは再利用できます。
例えば、後で検索して読み返したり、同じテキストを別の人に送ったり、チャットをベースに資料を作ることもできます。
チャットコミュニケーションはレバレッジが効きます。書くのには手間がかかりますが、1度の手間でさまざまな課題を解決できます。
忙しい人ほど、面倒くさがらずにテキストチャットを有効活用するべきです。
情報密度を上げるチャットのコツ
情報の密度を上げるためには以下を意識してください。
- 結論から書く
- 箇条書きを使う
- 記号を使う
- 余分な情報は削る
- 送信前に読み返す
重要なことは読み手への意識です。読み手の情報摂取効率を高めることを意識しましょう。
1.結論から書く
情報密度をあげるには結論ファーストが基本ですが、ズレた結論を出していては誤解や混乱を招くだけです。
受け取り手が今どんな情報を求めているのかを判断して、結論から伝えましょう。
質問されたらまずその回答から行うのが基本です。相手の質問が的外れでなければ、結論から答えましょう。
その結論に至る仮定の説明はメッセージの後ろの方に載せるようにしましょう。
1行目は結論です。
また、あなたからメッセージを発信する場合には、情報共有なのか、質問なのか、作業の依頼なのか、メッセージの1行目で明確にしましょう。
1行目に【ご依頼です】と書いておけば作業が要ることを相手に認識させられます。
2.箇条書きを使う
箇条書きは各論点の重要な箇所を切り取ったものになるため、情報密度が高いです。
私の周りの仕事ができる人は、みな箇条書きを上手ぬ使います。箇条書きにすることを意識すると、伝えたい情報の中で重要な点は何か?という思考が生まれます。これが本質的な思考をするための良いトレーニングになります。
箇条書きに慣れたら、階層構造のある箇条書きも使ってみましょう。
- A
- A1
- A2
- B
- C
階層構造を使うことで、情報の抽象レベルを簡単に表せます。
3.記号を使う
箇条書きと似ていますが、▼や■を使うことで小見出し風の表現ができます。
話の内容を少ない文字数で表す場合に便利です。
また、————————————のように情報をセクションで区切ることで、情報の別れ目を表現できます。
記号を使うことで、読者の負担を減らして効果的に情報が伝えられます。
4.余分な情報を削る
チャットでコミュニケーションを行う場合には、言葉が長すぎるよりも短すぎる場合が多いので、余分な情報で困ることは少ないかもしれません。
ただ、もしテキストで長文を送ることが多い場合は、削れる情報がないかチェックしましょう。
主語が重複してたり、何度も同じ表現を繰り返していたり、伝えなくて良い情報が含まれていたり、なくても意味が通る表現はカットするとよいでしょう。
もし話の過程で追加しておくべきかどうか迷う情報があれば、メッセージの後ろの方に書いておきましょう。
もし追加で詳細を知りたい場合は、後半で詳細が読めるようにしておくことでメッセージの読みやすさと情報量のどちたらも担保できます。
5.送信前に読み返す
電話で喋る内容を一言一句、喋り出す前に考えることは難しいですよね。
でも文章なら簡単です。
チャットの送信ボタンを押す前に、読み手を意識して読み返してみましょう。
これから送るメッセージに対して、もう少し改善できる部分はないか?と日々考える癖をつけると、チャットコミュニケーションの質を向上させられます。
チャットでは感情も考える
チャットが対面や電話でのコミュニケーションに劣っている点としては、送り手の感情が伝わりにくいことです。
通話なら声のトーンや笑い声などで感情を伝えることができますが、チャットでは相手の顔も見えず、声も聞こえないため、心理状態を判断することが難しいです。
感情を考慮しない問題点
感情がうまく伝えらないと、誤解や混乱を招いたり、メンバー同士の関係が悪化してしまう可能性もあります。
効率だけを考えて、感情を置き去りにすると、かえってプロジェクトの効率が悪くなります。
人は論理だけでは動かないので、メッセージの受け取り手がどう感じるかを意識することは非常に重要です。
チャットで感情を表現する際に気をつけるべきこと
チャットで感情を表現する際には以下に気をつけましょう
- 絵文字を使う
- ビックリマーク「!」を使う
- 感謝を伝える
- 相手が悪意を持っているという前提を疑う
- 怒りの表現は避ける
1.絵文字を使う
絵文字を使うだけで安心感を持ってもらえる方も多いです。
絵文字は文章で表現しきれない感情や態度を視覚的に表現できるため、余裕があれば絵文字を使いましょう。
「ありがとうございます。」「いいですね。」よりも、
「ありがとうございます😊」「いいですね👍」の方が親しみを感じられて受け手も喜んでもらいやすくなります。
ビジネス上ではあまりに絵文字を多用すると幼い印象を与えてしまうリスクもあるので、その点には気をつけましょう。
2.ビックリマーク「!」を使う
絵文字を使うのが手間に感じる場合には、「!」を語尾につけるだけでも受け手の感じ方が変わります。
「ありがとうございます。」「いいですね。」よりも、
「ありがとうございます!」「いいですね!」の方が、元気で活発な印象を与えられます。
こちらも無理して多用する必要はありませんが、感情を豊かに伝える1つの表現として、必要であれば使いましょう。
なお絵文字や!の感じ方については、年代や人によっても大きく変わりますので、相手のタイプに合わせることも重要です。
3.感謝を伝える
チャットに限らずですが、互いに感謝を伝え合うことは関係を良好に保つために大切です。
感謝を伝えることで双方が幸福感ややりがいを感じてプロジェクトに取り組めます。
金をもらってるんだから真面目に仕事するのは当たり前だろう、というスタンスではプロジェクトは上手くいきません。感謝の気持ちを忘れずに。
4.相手が悪意を持っているという前提を疑う
チャットでは感情が見えない分、誤解が生まれやすいです。
もしチャット上で相手が怒っているように感じたり、悪意を持っているように感じても、その前提を疑ってみましょう。
相手のメッセージ上での表現が不足しているために、そのように見えているだけかもしれません。
感情面で不信感が生まれた場合には、なるべく早いうちに周りに相談したり、当事者同士で通話をするなどして解消に向けたアクションを行いましょう。
5.怒りの表現は避ける
テキストはネガティブな表現がより深刻に伝わりやすいメディアです。
また相手の表情が見えない分、読み手の気持ちを考えることなく怒りに任せてテキストを打ってしまうこともありがちです。
怒りや苛立ちなどネガティブな感情が湧いた時は、一旦落ち着きましょう。
感情をそのまま相手にぶつけるのではなく、怒りの感情が生まれた背景を振り返り、根本的な原因と解決策を提示して建設的なコミュニケーションを行いましょう。