キーワードスタッフィングとは?(ブラックハットSEO)

キーワードスタッフィングとは?(ブラックハットSEO)
公開日: 2023/06/24
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更新日: 2023/06/24
目次

ブラックハットSEO手法のひとつである「キーワードスタッフィング」について聞いたことはありますか?

ひとことでいえば、キーワードの詰め込みによる悪質なSEO対策です。

現代のSEOではまったく役に立たない施策ですので、キーワードスタッフィングのやり方を覚える必要はありません。

しかし、「どんなことをするとガイドライン違反となるのか」など、ブラックハットSEOについて理解を深めることは大切です。

キーワードスタッフィングとは

キーワードスタッフィング(keyword stuffing)」とは、意図的にキーワードを過剰に詰め込むことによるSEO対策を指します。

ちなみに「stuff」とは「いっぱい詰める、詰め込む」という意味です。

キーワードスタッフィングはブラックハットSEOの手法のひとつであり、検索エンジン上での使用は推奨されません。「Google 検索の基本事項」でもキーワードの過剰な詰め込みは違反事項とされています。

ホワイトハットSEOとブラックハットSEOについては以下の記事をご覧ください。

キーワードスタッフィングはガイドライン違反

キーワードスタッフィングはブラックハットSEOの一種であり、Google検索エンジンのガイドライン違反です。

Google 検索の基本事項の「スパムに関するポリシー」に、以下のような記載があります。

キーワードの乱用|Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー

キーワードの乱用とは、Google 検索結果のランキングを操作する目的で、ウェブページにキーワードや数字を詰め込むことです。(中略)キーワードの乱用の例としては、次のようなものが挙げられます。

  • 実質的な付加価値のない電話番号の羅列
  • ウェブページが特定の都市や地域に関する検索結果の上位に掲載されるようにするために、都市名や地域名を羅列したテキストのブロック
  • 同じ単語や語句を不自然なほど繰り返すこと。

(一部省略)出典:Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー | Google 検索セントラル

「Google 検索の基本事項(ウェブマスター向けガイドライン)」については一読しておきましょう。お忙しい方は、誰でも分かりやすく解説した以下の記事もご覧ください。

キーワードスタッフィングの例

キーワードスタッフィング、つまりキーワードの詰め込みには、いろいろな方法があります。

(例をいくつか紹介しますが、キーワードスタッフィングはブラックハットSEOとしてペナルティ対象となるので、使用しないでください。

記事のタイトルや文章に詰め込む

シンプルに、ページの中のタイトルや文章に詰め込むケースです。以下の例をご覧ください。

記事のタイトルや文章に詰め込むキーワードスタッフィング

■ キーワードの過剰な使用

このサイトでは最高のスニーカーを販売しています。当店のスニーカーは最高品質のスニーカーであり、スニーカーの選択肢も豊富です。もしスニーカーをお探しの場合は、ぜひ当店のスニーカーをご覧ください。スニーカーの詳細情報やスニーカーの価格をご確認いただけます。

→明らかに過剰で不必要な数の「スニーカー」を使用している。

■ 不自然な文脈でのキーワードの使用

最高品質のスニーカーを販売している当店では、スニーカーは最高品質のスニーカーです。スニーカーは丈夫で長持ちするスニーカーです。ぜひ一度、スニーカーをお試しください。

→「スニーカー」を過剰使用している上、文脈が意味不明。

とくに文脈が不自然なテキストは、キーワードスタッフィングとして扱われる以外に、「ワードサラダ」としても扱われる可能性があります。

同じくブラックハットSEOに関係のあるワードサラダについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。

HTMLタグの属性に詰め込む

alt属性やtitle属性などに、キーワードを詰め込むケースです。

<img src="example.jpg" alt="ベストなスニーカー スポーツ フィットネス ランニング トレーニング ウォーキング ジョギング" />
<a href="product.html" title="最新モデル スニーカー シューズ 靴 ファッション 人気 女性 男性 スポーツ ウォーキング トレーニング">商品詳細を見る</a>

上記のようにimgタグやaタグで使われ、これらはページ上に表示されないため、ユーザーには見えない形で検索エンジンに伝えることのみを目的としてキーワードが詰め込めます(もちろん、現在の検索エンジンはキーワードの詰め込みを評価しません)。

noscriptタグの中に詰め込む

noscriptタグとは、<script>タグに対応していないブラウザ、つまりJavaScriptが無効になっている場合に、代替してくれるHTMLタグです。

<noscript>
    <img src="example.jpg" alt="黒いスニーカー スポーツ フィットネス ランニング トレーニング ウォーキング ジョギング" />
    <a href="product.html" title="最新モデル スニーカー シューズ 靴 ファッション 人気 女性 男性 スポーツ ウォーキング トレーニング">商品詳細を見る</a>
</noscript>

JavaScriptが無効になっているブラウザにおいて、この<noscript>の中のコンテンツが表示されます。しかし、ほとんどのブラウザではJavaScriptに対応しているため、こちらもキーワードの詰め込みを隠せるという手法です。

CSSで隠す(隠しテキスト)

CSSでテキストを背景色と一緒にしたり、ページ外に配置したりして、テキスト要素自体を隠す手法です。

以下の例をみてください。

<div style="position:absolute; left:-9999px;">
  <p>最高品質のスニーカーをお探しの方は、当店の<span style="color:#ffffff;">スニーカー</span>をご覧ください。幅広い<span style="font-size:0px;">スニーカー</span>の選択肢があります。</p>
  <p>また、<span style="display:none;">人気の</span><span style="font-size:0px;">スニーカー</span>や<span style="display:none;">高級</span><span style="font-size:0px;">スニーカー</span>も取り扱っております。</p>
</div>

親のdiv要素にposition:absolute; left:-9999px;とスタイルが当たっているのに注目してください。これにより、子要素のpタグを見えない位置に置いています。

また、<span style="color:#ffffff;">により、白背景と同じ色にして隠したり、<span style="display:none;">でテキストを非表示にしたりしています。

ユーザーには見えませんが、検索エンジンはHTMLソースを読んでこの隠しテキストを検出できます。

現在のアルゴリズムでは、このようなキーワードを詰め込んだ隠しテキストは評価されません。

キーワードスタッフィングが流行した背景

キーワードスタッフィングが流行したのは、単にキーワードがたくさん含まれているだけでSEOになる時代があったためです。

インターネット黎明期、つまり2000年代初頭における検索エンジンのアルゴリズムは、現在に比べて単純なものでした。

つまり、キーワードの出現頻度が多ければ、それだけで順位を上げられることもあったのです。よって、当時の検索結果の質や精度はイマイチなものでした。

いまでは、キーワードスタッフィングが対策されたうえ、キーワード以外の指標も順位決定で重要視されています。おかげで、どんなキーワードで検索しても、ある程度信頼できるページが上位表示されるようになりました。

キーワードスタッフィングの対策

意図してキーワードの詰め込みを行わない限り、キーワードスタッフィングとして扱われる文章にはならないはずです。

キーワードを入れること自体はSEO上重要なので、適度に詰め込み、あくまでユーザーが読みやすい文章を執筆していきましょう。

もし、やむなくキーワードをたくさん詰め込みたいケースがあり、その文章がガイドライン違反かどうか見極めたい際には、ChatGPTに校正を依頼しても良いかもしれません。

以下のような感じです。キーワードスタッフィングに該当するかどうかみてもらい、かつ修正案も作ってもらってみました。

ChatGPT

ChatGPTは無料かつ文章表現を調整するのにも役立つため、「この文章大丈夫かな?」と思ったら、聞いてみてください。